ムハクサン(舞鶴山)は釜山から日帰りで行くことができる山だ。韓国100名山の中で釜山から日帰りで行ける山は数が限られるから、金井山(ムジョクサン)の次の山を探しているなら(100名山で)オススメできる山の一つだ。
ムハクサンはその文字の通り、鶴が翼を広げて舞っている姿を連想される形状からそう呼ばれるようになったと言われる。そして名山と呼ばれる山がどこもそうであるように、魅力的な容貌を持ち合せているらしい。主尾根一帯のススキ畑、ロッククライミングの訓練場となる岩壁、頂上から一望できる景色などだ。
釜山西部バスターミナルから馬山へ向かうバスに乗る頃は遠足気分だった。バスターミナルのコンビニでカップラーメンを食べ、登山の途中で食べるために海苔巻き(김밥)、サンドイッチ、チョコレートなどを購入した。今回は父と母と一緒の山歩きだから、いつもよりも緊張感が薄れて、気軽に山歩きに向かった。
だけど、ムハク山の尾根に出る頃にはすでにふくらはぎの筋肉が悲鳴をあげた。
馬山女子中学校から向かう主コースを選んだつもりだったが、途中で道を間違えていたのだ。
後で登山地図を確認すると、最初から間違っていた。中学校を右に見て進むと真っ直ぐの方向へ登山道という案内板があったから、何の疑いもなくそのまま進んでしまった。私たちの前に50代くらいの女性二人と60代くらいの男性が一人が前にいたことも確認をしなかった理由の一つだ。
3人に置いていかれない距離で進んでいると、道が二股に分かれた。そして困ったことに、女性たちと男性は別々の道に進んでしまった。ここで初めて、道を間違ったのではないかと脳裏に浮かんだ。
二股にある案内板のところで、案内板とスマホ(ネット上の登山地図)を交互に見比べながら悩んでいると、トラクターに乗った80代くらいのおじいさんがやってきた。小さくて丸顔、目が少し白内障のように濁っているけど、やさしい笑顔を浮かべている。私は道をふさぐように前に出て道を尋ねた。
「ムハクサンの頂上はどっちに行けばいいですか?」
「頂上?どっちも大丈夫だけど、まっすぐは距離は短いから早く着くと思うけど道が急だね。右に進むと遠回りだけどゆっくり行けるよ」
道を急いでいる訳ではないが、急勾配だといわれた道に進んだのは女性陣が進んだ道だったからだ。身軽な登山スタイルの女性が選んだ道はノーマルな登山道だろうと思った。だけど、進んだ道の半分以上は「けもの道」だった。さらに急踏。案内板もない。引き返すことが頭に浮かびながら1時間ほど登った。
そしてやっと尾根に出た。
尾根に出て平坦な、時折町の景色を見渡せる道を歩きながら、やっとこの山の爽快感を味わうことができた。そして二股から全く出会うことがなかった人影が後ろから現れた時、やっと安堵した。
馬山に住んでいるという60代の男性によると、頂上まではあと30分ほどということだった。10分ほど雑談をしながら一緒に歩いたが、歩みの早い男性に先に進んでもらうことにした。
そして目の前に現れたのは365段の階段だ。その階段を前に使いすぎたふくらはぎの筋肉を思いやり、少し休憩することにした。
階段の手前は展望台やベンチなどが置かれた広場になっている。そこに腰掛けて食事をしている人も10人ほどいたから、私たちもベンチに腰をかけバスターミナルのコンビニで買った海苔巻きとサンドイッチで昼食にした。
365段の階段は一段ごとに日付が振られている。そして、4月の初めには階段の両サイドはツツジの花の壁ができるだろう。ゆっくり休みながら、振り返って景色を楽しみながら階段を進むと頂上にたどり着く。
広々とした空間にヘリポートがある。ウッドデッキもあり、頂上での時間をゆっくりと楽しむことができる。残念ながら日差しがない天候ではあったけど、頂上からの街と海の景色は爽快だ。
階段を降りると、売店があることに気が付いた。ラーメンやビール、焼酎、マッコリなどを売っている簡易的な店だ。ジロジロ見るわけにはいかなかったけど、奥にはラーメンを食べる人が見えた。韓国の山に行くと、山頂でアイスクリームを売る人と出会うことがよくある。ソウルの山(たしかガナク山だったと思うが・・・)ではビールやマッコリを売っている人もいたけど、韓国らしい情景に出会うと嬉しくなる。
下りは本来登りに予定したコース、馬山女子中学校へと戻ることにした。尾根に出てきたときに出会った男性に最も上りやすく整備された登山道だから帰りはその道を戻るように勧められていたからだ。
どこで道を間違ったのか確認したい気持ちもあり、言われた道を戻る。男性が教えてくれた通り、よく整備された登山道だ。木階段も設置されている。この道から上ってきたなら、韓国の山歩きをもっと楽しめたかもしれない。
そして戻ってきた中学校。この中学校を沿うように右に曲がらなければならなかったのだ。案内板に惑わされずに・・・。道を曲がったところに大きな案内板もあった。低山でも初めての山に行くときは登山地図で確認することを忘れてはいけない。
(山の情報はコチラ↓↓↓)
1. About “Mt.Muhak” It is a mountain that you can enjoy from…