阿蘇くじゅう国立公園
朝4時。まだ暗闇の中、福岡の自宅を出発して早朝の長者原へやって来た。梅雨前の晴れの土曜日。明日、6月2日(日)は山開きなのに雨の予報だから、6時30分の長者原の駐車場は多くの登山客の車でいっぱいだ。
大きなザックに寝袋を背負った本格的な登山スタイルの人並みが次々に湿原の中に消えていく。今日は登山日和だ。
一方で私は軽装の日帰り登山客スタイル。チョコレートとお弁当、お茶を入れた小ぶりなザックも車の中に置いて、サンダルを履いて山の様子を眺めている姿はちょっと周りから浮いてる。だけど長者原のタデ原湿原から見る三俣山の景色は最高なのだ。立ち寄らずにはいられない。
雄大な九重連山の景色を見て、朝の澄み切った空気を吸ったから登山気分全開だ。
長者原から少し登っていくと、牧の戸の登り口に着く。登山シーズンの週末ともなれば、駐車場に入りきれなかった車が道沿いにずらっと並ぶが、今日はそうでもない。ちょっと拍子抜けな感じ。車も難なく駐車場へ停めることができた。
登山靴に履き替えてから、牧の戸登り口で記念撮影をして、最初の急な坂道をゆっくりと歩き出した。今回は扇ヶ鼻でミヤマキリシマの群生を楽しむ、ゆっくり歩いて4時間ほどの山歩きだ。
実は登山に来る前から心配していた。ミヤマキリシマの開花は例年、6月の2週目くらいなのに、1日に来てしまったからだ。温暖化の影響で、もしかしたら開花時期が早まっているのではないかという期待もあったけど、平地と高地では話が違うらしい。直近の開花情報は例年通りで、平治や大船といった群生地もまだ4〜5分咲きということだった。
情報通り、登山道からミヤマキリシマの花はあまり見当たらない。だから、淡い期待は捨てて天気に恵まれた山歩きを楽しむことにした。
牧の戸からの山道は尾根歩きのように景色が開けて見渡せるから、清々しい山旅が楽しめる。道も比較的に整備されているから初心者でも気軽に楽しみことができる。だから、ついつい山並みを眺めながら歩いてしまうから、山に咲く可憐な植物を見落としてしまう。だけど見落とすことができないほど、イワカガミの花が広範囲に渡って咲いていた。
扇ヶ花の峰を見上げると、ミヤマキリシマのピンクの花は点々としている。満開の時期ならこの景色がピンクに染まる。残念ながら、今回は2〜3分咲きだ。
この景色を見て、登らず引き返す人もチラホラ。だけど、ここまで来たのだから頂上を目指した。
足元は大小の石が転がる滑りやすい勾配がきつい小道。この道にはいつも苦労させられる。木道を作ってくれたらいいなっと思いながら登り切った。
頂上に着くと雲がかかって来た。山の天気は変わりやすい。山頂からの景色も望めないから、すぐに下ることにした。
そして雲が切れたところでブランチ。朝早くに家を出たからお腹ぺこぺこ。夜に作っておいた鶏の唐揚げ、卵焼き、ウインナーと遠足の定番おかずを広げると、通り過ぎる登山客の注目の的に。花がないから人の団子が気になる⁉︎らしい。
ミヤマキリシマの花を楽しむことはできなかったけど、山の空気と景色を十分に楽しんでリフレッシュして牧の戸に帰ってくると、登山準備をする人集り。韓国人の団体ツアー客で溢れている。久住に来ると必ず出会う韓国人の登山客。相変わらず人気のスポットになっているらしい。
チャル カッタ オセヨ〜(行ってらっしゃい〜)
大分湯布院
韓国の登山客を見送ったあとは、もう1つの目的地の湯布院へ。
牧の戸から湯布院までは車で40分くらいだけど、長者原じゃなく阿蘇の方に降りてしまったから倍の時間がかかってしまった。そんなちょっと疲れた気分を癒すために(体も癒すために)すぐに立ち寄り湯へ。ゆっくり1時間かけて疲れを取り、そのあとはやっぱりビール!
・・・と思い、車を駐車場へ入れて、湯布院の散策をしながら店を探しに出かけた。
湯布院の湯の坪街道は相変わらず原宿の竹下通りのよう。外国人の人並みで賑わっている。ソフトクリーム、コロッケ、煎餅、ジュースなどを手にしながら街散策を楽しんでいる観光客。そんな人たちを横目に私はビールの文字があるレストランを探した。
飲食店はランチの時間が終わり、夜の時間までの休憩中(もしくは営業終了)。福岡の街中のようにレストランは見つからない。だからしっかり金鱗湖まで観光してしまった。
そこで金鱗湖のそばにある森に囲まれたようなカフェに入ることにした。言うまでもなく雰囲気がいい。湖畔に佇むおしゃれなカフェだ。
テラスは寒くなるから窓際の席に座り注文をした。
ウインナーの盛り合わせ、デニッシュにチーズを乗せた甘じょっぱい抜群のコンビネーションのチーズパン、そしてビール。
金鱗湖の景色、静かな空間、おしゃれなカフェメニュー、そこでビールを飲むなんて、なんだか気分がいい。
今日撮った山の写真を見返しながら、1時間ほどカフェで過ごし、本日の宿に向かった。
ちなみに湯の坪街道は17時頃から店が閉まる。私たちがカフェを出て、駅の方に戻る頃には通りの店は半分以上が閉店していた。湯布院の観光も楽しみたいなら、ビールよりも先に観光をすることをお勧めする(笑)。